先日、岐阜県土岐市で活動されている陶芸家の野中麟太郎さんの工房へお伺いしました。
元々酒屋さんだった空間をアトリエとして利用されています。
今回行かせていただいたのは、野中さんの実験的で情熱的な作品がどのような環境で作られているのか、非常に興味があったのが一番の理由です。
野中さんの作品は、ろくろで作った半磁器の器を芯材として、そのまわりを耐火粘土で覆い、その間に粘土の原石や溶ける粘土、釉薬を詰め焼成し作られています。
写真は、芯材の器のまわりを耐火粘土で覆った状態です。耐火粘土の造形がこの後の姿を想像させてくれて、とてもテンションが上がりました。
中庭では、日々の格闘の痕跡が見て取れます。
野中さんとの会話の中で、大量のスケッチを描き、方向性を決め、自らの手で表現していく、というお話がとても印象に残りました。
デザインと言ってよいのかわかりませんが、石や溶けた粘土がまとわりついた作品は、野中さんの作為と偶然性が幾重にも合わさった形であり、何とも詩的に感じます。
不思議なオブジェ
自然豊かな土地で作陶されていることもあり、最近では自身の作品に緑色をよく使うようになったそうです。
国内外の個展や企画展で活動されている野中さんですが、27歳とお若いながら、作陶歴は10年とのこと。
野中さんの作品を見ていると、クリエーションへの情熱が感じられ、とても元気をいただけます。
今回、十数点持ち帰らせていただいております。
ぜひ店頭にてご覧いただければと思います。
野中麟太郎 / Rintaro Nonaka
1997年 大阪府和泉市生まれ
2014年 高校中退後、愛知県立窯業高等技術専門校 入所
2015年~2018年 瀬戸の窯元で器作りを学ぶ
2019年 個展・イベント等で作家活動を開始